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zoom RSS 虚偽・捏造の代償

<<   作成日時 : 2006/06/06 08:51   >>

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虚偽・捏造情報による社会的な不正行為が蔓延している。決算報告の虚偽表示、建築業界の強度計算の偽装、警察内における捜査報告書の捏造、社会保険庁による統計情報の人為操作、大学や研究機関などのアカデミアによる論文捏造、作家・画家による他人著作物の盗作や模写などなど、枚挙に暇が無い。虚偽情報の発信や捏造を止めることは不可能である。安易に結果を得ようとして捏造情報・虚偽文書による不正行為が行われた場合、法的制裁を含む広義の社会制裁が明確に機能して、初めて抑止力が作用すると言えよう。

医学・生命科学分野で、論文捏造の問題が多発している。東京大学多比良教授(生命化学工学)の「リボ核酸」に関する論文が、学内の調査委員会によって「実験の再現性が得られない」、との結論がなされた。その後の追試実験は行われたのであろうか。捏造発覚の端緒となったのは海外の研究者から「再現性がない」との指摘や、論文そのものを否定する研究発表であったというのは、学内はもとより、所属学会の関係者にとり慙愧の極みであろう。奇異に感じるのは、学内の「 懲戒委員会 」の調査開始に先立って、「 論文が捏造であったのかどうかについての判断には踏み込まない 」との考え方を言及したことである。大学が論文の価値判断機能を放棄するのは如何なものであろうか。身内による自浄作用の限界が予見される。

大阪大学医学部では下村教授、武田教授、研究員および医学生による論文が捏造データによるものと判断され、学内の処分がなされた。その後、データ改竄が学生一人の責任とされたことに対し、名誉毀損による損害賠償の提訴がなされている。泥沼化の様相であるが、京都大学柳田教授のBlogが参考になる。

韓国ソウル大学、黄元教授のヒトES細胞に関する論文捏造問題で、ソウル地検が在宅起訴に踏み切った。同時多発的に起こった日韓の生命科学分野の不正行為であるが、はたして適切な社会的制裁とはどのようにあるべきであろうか。研究費の不正取得による詐欺行為が法的制裁を受けるのは当然であるが、大学当局や関連学会は組織としての処分を適正に行うとともに、論文の価値に対する判断を避けるべきではない。医学の科学性・学問性が問われている。

教育基本法の改定で愛国心が涵養されるのなら、学習態度やモラルの涵養により、将来の科学技術者、研究者や教育家の心のありようを鍛え得るのか否かを実証して欲しいものである。はじめに必要なのは官僚や政治家の心の有り様の適正化であるが、これが困難であるのは実証を要しない。モラル・ハザードは社会システムの歪みのサインである。

盗作ではないと悪あがきする画家、捏造ではないと強弁する科学者、名誉や権威のみに縋った生き様の哀れさには同情を禁じえない面も無しとはしない。これに比し、違法ではないとの主張をあっさり翻し、司法取引の臭いを残したまま退場を選んだ某ファンドの代表には、打算の余地があったことになる。

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