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zoom RSS 研究費の不正受給・論文捏造のバランスシート

<<   作成日時 : 2006/07/18 08:44   >>

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 学術分野の不正行為の闇は深い。特に、医学・生命科学に関する論文捏造は、先に掲載した東京大学多比良教授、大阪大学下村教授、武田教授らの事件に続いて、山形大学医学部の小谷直樹教授(49)の論文捏造事件が報じられた。さらに、早稲田大学理工学術院、松本和子教授(56)の研究費不正受給や論文捏造問題が露見し、不正行為の病巣の深さを窺わせる。この国の科学技術、国の在り様、文化を危うくする深刻な問題であり、文部科学省、日本化学会、早大は全容を解明・公表することにより、社会的な責任を果たしてもらいたい。

 松本和子教授の論文捏造の噂は、米化学誌に論文が発表された2001年には関係者の間で囁かれていた。この4月に内部告発があり、早稲田大学が調査委員会を設置したのは6月22日。その後、6月29日に中間報告、7月12日には最終報告がなされている。しかるに、身内による調査の限界は明白であり、教職員の間からも調査報告書の杜撰さが指摘され、独自の調査委員会の設置も決議されている。大学は松本教授による架空取引の疑いはすでに2004年に把握していたが、調査委を設置することなく終わらせた経緯もある。一方、メディアに問題発覚後の対応は異様に迅速である。松本教授は捏造ではないと強弁したが、再現実験は期待すべくもなく、辞表は不受理に終わっている。早大を揺るがしている、愚かしく・恥ずかしくそして許しがたい詐欺・横領行為を、”告訴しない”と早々に結論付けたのは何故であろうか。文部科学省の要求に応じて、研究費の一部返還を行い、懲戒委員会による最終処分(to be fired)を行うという一連の手続きにより、幕引きを急いでいるように見える。私立大学の雄なるものの鼎の軽重、社会的責任がいま改めて問われている。司直の手に委ねる前に当事者能力を示すべきではなかろうか。

 松本教授は捏造データに基づく論文に関係する研究分野で、国から総額8億円を超える研究費を受給し、一部を目的外に使用したとされる。不正の手口は@研究費の一部をアルバイト代金として学生らに支払った後、自分の口座に還流させこれを投資信託資金に私的流用した、A自分が非常勤役員を務める企業との架空取引により、研究費で購入した代金を寄附講座に還流させた、などである。発端は、捏造が疑われる論文が評価され、関連する研究テーマに予想外の研究費がついたことにあろう。嘘に基づいた研究に成果が上がる筈もなく、研究者や学生がいっせいに逃げ出した構図は東大の多比良研究室の事例と酷似している。露見までに5年、あまりにも長いモラトリアムではある。この間、松本教授自身は自責の念に駆られたことはないのであろうか。女史が論文の不正を議論する文科省特別委員会主査代理であったのは嘲笑えるブラックユーモアである。委員会の報告書(案)などの審議過程で女史はどのような意見を加えたのであろうか。

 社会的な責任のある立場の人物の品性を客観的に正しく評価するのは困難である。立場ゆえの神話が一人歩きし、国の審議会や委員会に名を連ねているうち、本人も周囲も勘違いしてしまうのであろう。嘘を嘘で塗り固めたり、状況を糊塗する品性は、秋田県藤里町の某女や秋田県警と同一次元にある。女史には、学術分野からは退場し、得意分野の錬金術に専念されんことを念じている。図らずも、個人資産の運用に熱心であると評される、この国の中央銀行の総裁の品性を推し量る機会でもあった。

PS:内部告発に加えてNet/Blog/BBSの匿名性が不正を暴くevidenceを提供したた事例として特筆される。

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